人に思いを伝えたい時に、伝わらないもどかしさを経験したことはありませんか。大人は伝わるまで話し合ったり文字にしたりと進める方法を探しますが、子どもはもどかしさを上手く解消する方法を知りません。
  児童館で多くの子どもと関わってきました。
  親の離婚や再婚話しの渦中にあって、孤独感と不安感から急に泣き出す子、お迎えの親が来ても帰らないと泣き叫ぶ子、親から暴力やネグレクトを受けていても親がやったとは、決して口には出しません。
  子どもたちは、お父さんお母さんが大好きで家では良い子でいます。児童館は、学校でも家庭でもない中間的な立ち位置なので「素」の自分が出せる唯一の場所なのでしょう。孤独感や不安感が泣く、すねる、友達との喧嘩となって表れます。
  「帰らない、包丁で殺せ」と職員に食って掛かる子。そんな姿に、この世に生を享け、まだ六年間なのに。抱きしめるしかない自分の無力さを感じます。どの子も「かけがえのない、いのち」として生まれてきているのです、幼くして絶望感を抱く姿に、夢と希望を持てる人生をと願い祈る思いです。
  子どもが生まれる事を、子宝を授かるという美しい日本語があります。そして子宝は親たちの愛情と慈しみによって、光り輝くことを忘れないでください。
  どうぞ、子どもの声に耳を傾けてください。子どもの言っている事だからと無視しないで下さい。子どもの目線に立って下さい。
  きっと、見えていなかった、聞こえていなかった、子どもの真の心が見えてきます。聞こえてきます。
(m・n)
 

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